テーマ:キリスト教

紙・IT・通貨

1 イリイチのやり残したこと  晩年のイヴァン・イリイチは、当時、本格化していたIT革命とはなにか、という疑問への答えを求めて12世紀ルネサンスの研究に向かいました。  その成果は、1988年の「ABC」と1993年の「テクストのぶどう畑で」の2冊の著作に結実しましたが、残念ながら2002年に召天しました。  イリ…
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「神の国を発見!」(2019年8月18日夕礼拝奨励原稿)

 今日は小宮山牧師がご不在なので、私が代わりに奨励を仰せつかりました。  私には聖書の解き明かしはできませんので、あくまでも私の理解、私の証としてお聞きいただきたい、と最初にエクスキューズを振っておいて、お話しを始めようと思います。 1 ハルトの教えてくれたこと その1  さて、6月の末に札幌の叔母が93歳で亡くなって…
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復活について

 直前の記事でも申し上げましたが、8月10日の福嶋揚氏主催のセミナーの意見交換の中で、キリスト者は一体、どうして復活を信じられるのか、信じられない!という趣旨の発言がありました。  この点については、すでに星の数ほどの証がなされているはずであり、今更、私如きが贅言を加えるまでもないとは思いますが、ここは私自身の理解の整理のために愚…
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新たな群れを生み出す

 さる8月10日、福嶋揚氏主催のセミナーに出席したら、意見交換の中で新約聖書の記事の史的信憑性を巡る発言がなされました。  すなわち、弟子たちに受難と復活を預言したイエスの発言は、後世のでっち上げとすることが定説である、との議論です。  そのやりとりをきっかけに思うところあり、まずは聖書の史的信憑性について、次に、その伝道的な意…
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「律法学者」という誤訳?!

 聖書にたびたび登場する「律法学者」という言葉が誤訳だなんて、疑ったことすらありませんでした。  だから、律法学者が一定の社会的なグループとして存在するからには、イエスやパウロの時代のエルサレムには、今日のイスラム世界におけるマドラサのような、教典を講じ、学ぶ学校があったにちがいない、そしてその教師が律法学者であり、星雲の志を抱く…
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教会学校の説教を考える

 教会学校の中高科で説教奉仕にお用いいただいて何年にもなります。  大体、半年に2回か3回の奉仕ですが、何回やっても納得のいくお話しができません。  その理由をいくつか考えてみます。 理由1 説教時間の制約  多くの教会学校の奉仕者の実感からいうと、幼稚児や小学生はもとより、中高生を相手にするときでさえ、お説教はせい…
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希望とはなにか~7月14日CS中高科説教原稿

【使徒言行録 8章4~8節】 交読詩編 146 4さて、散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。 5フィリポはサマリアの町に下って、人々にキリストを宣べ伝えた。 6群衆は、フィリポの行うしるしを見聞きしていたので、こぞってその話に聞き入った。 7実際、汚れた霊に取りつかれた多くの人たちからは、その霊が大声で叫びながら…
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ドゥルシラ・コーネル「”理想”を擁護する」をお読みください

 アマルティア・センの「正義のアイデア」の中で言及があったので、図書館から借りて読みました。  具体的な結論があるのではありません、しかし、ヒントがたくさんある、という意味ではぜひ多くの方にお読みいただきたいと思いました。  第1章と第2章は湾岸戦争、9・11、イラク戦争という時代に正戦論、つまり正義の戦争 Just War…
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大量消費社会と聖書

 新改訳のエゼキエル書8:3で「ねたみを引き起こすねたみの偶像」という言葉に出会ってハッとしました。 1 訳語の検討  この「ねたみ」の語を新共同訳は「激怒を起こさせる像」と訳しています。  察するところ、翻訳に携わった神学者の先生方は神学のことしか知らないままに、分かりやすい訳語を求めてこのように訳されたのだと思いま…
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ジェンダーは誰のために必要か

1 まずは本のご紹介  川口恵美子さんの「戦争未亡人  被害と加害のはざまで」(ドメス出版、2003)を読みました。  内容を簡単に紹介すると、昭和13年頃からサンフランシスコ講和条約までの期間の女性史で、タイトルにある通り、戦争によって夫を失った女性たちの辛酸を描いたものです。  しかし、この本の真に驚くべき点は、ほ…
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「滅び」を英語で言うと・・・

 昨日の主日礼拝のお説教は「狭き門」、つまりマタイ7:13~14だったのです。  その中で「滅び」という言葉を英語ではなんて言うんだろうと思ってBibleGatewayで調べたら、New English Translation訳では「destruction」の訳語を当てているのです。  昔、よくテレビに出ていたデストロイヤー…
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「あなたの鞭、あなたの杖/それがわたしを力づける」とは

  「法律に抵触しないなら、いかなるビジネスでも認められるのか」という問いには、どのような答えがあり得るでしょうか。  肯定的な立場からは、例えば以下のような答えがあり得るでしょう。  肯定意見その1 法律や判例は、国民の自由を確定するためにあるのだから、これらに抵触しない限り、当然に、認められる。  肯定意見その2 もし…
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H.L.A.ハート「法の概念」を読みました

 公務員として長年、法律のおかげでメシを食ってきたのに、恥ずかしながら法律について正面から学ぶのは初めてで、この本が法哲学というジャンルなんだか、法理学というジャンルなんだかもよく分からない自分です。  ことほどさように浅学の徒ゆえ、幾度も心挫けそうになりながら*1、また、理解できない部分も多々ありながらも、大変、興味深い説明がた…
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まだ見ぬ「ワクワク」

 L.ウィトゲンシュタインの本を読んでいると「ミスリーディング」という言葉が何度も出てきます。また、H.L.A.ハルの本を読み始めたら、やっぱり「ミスリーディング」という言葉が何度も出てくる。  訳者が違うのに、あえて文字通りに訳したのは、日本語に適切な訳語がない、ということを暗に伝えたかったのだろうと思いますが、それだけだろうか。む…
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Respect yourself 4月28日CS中高科説教原稿

 アメリカのゴスペルグループ、Staple Singersが1971年にヒットさせた曲に「Respect yourself」という曲があるんですが、最近、ピーター・バラカンさんの本を読んでいたら、この曲の歌詞についての面白い説明があったのです。  皆さんは、「Respect yourself」という言葉はどういう意味だと思いますか…
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「いかなる立場も切り捨てない」は何を意味するか

 日本基督教団神奈川教区では教区形成基本方針という文書に重要な位置づけを与えています。  この文書では「いかなる立場も切り捨てない」という主張がなされていますが、この主張の隠された意味を、社会的選択理論を用いて検討してみたいと思います。  さて、仮に私がある会議の参加者であって、すべての人を私の意志に従わせたいと考える独…
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ルーサー・ブリセット「Q」を読みました

 ルーサー・ブリセットの「Q」は、基本的にはエンターテインメント作品で、R18的描写も若干、散見されますが、時代考証は非常に正確で、極めて上質な作品です。  もし、あなたが18歳以上なら一読に値する作品です。また、塩野七生さんの本がお好きな人なら、きっと楽しめると思います。  ネタバレにならない程度に、あらすじを述べるなら、…
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置き去りにされた教会

 日本基督教団は、70年代に深刻な内部対立が起きて、今日でもその残滓に苦しんでいます。  僕は、その当時のことを知る由もない者ですが、それでもそのことについてずっと考えて続けてきました。  そして、最近、やっと分かってきたような気がするのです。  もちろん、様々な原因があるのでしょう。  しかし、おそらく最大のものは、経済学や社…
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キリスト教と倫理

 世界は言葉の向こうにあって、人間は言葉によって技術や道具を開発して世界を利用する一方、実は世界に生かされてもいるのだ、と過去の多くの神話や宗教は考えました。  そして、世界を象徴するような様々な動物や石や鏡や木像を拝んできました。  しかし、近代になって、人々はそうした偶像崇拝に何の意味もないことを発見するとともに、デカルト的…
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良き訪れをつげない教区総会

 今日、2月23日、神奈川教区総会がありました。  今日の教区総会で秦野西教会の解散が議案となりました。  教会員が減少する中、崖っぷちで先生と役員が力一杯、祈りながら踏ん張った経過が報告されました。  その後、教区議長から解散は決まったことだが、教区総会承認が手続き上必要だという説明があり、賛成多数で解散が承認されました…
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イデオロギーの向こうから

 先日の大根の話を簡単に要約すると以下のようになります。 1 人間は世界を利用するために自分たちに都合良く世界を分節化し、構造化する。 2 その働きによって言葉と社会が形成され、次いで偶像崇拝とそれを支える神話、すなわちイデオロギーが産まれる。 3 聖書と信仰の実践は、イデオロギーに囚われている私たちを、言葉の向こ…
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哀れな大根のお話し(又は、「分節化」を鍵に聖書を読む)

 野菜と果物の違いとか、蝶と蛾の違いとかが良くクイズとして取り上げられますし、また、虹の色や雨や雪の呼び名に地域や民族によって多様性があることも広く知られています。  これらのことは実は言葉による世界の分節化という、人間の知の働きを示しているものです。  つまり世界は人間の都合に合わせて作られた物ではないのに、人間が…
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豊かにされる「礼拝」

 メトロノームで四拍子を鳴らすと「カッ・カッ・カッ・チーン」というビートを延々と繰り返してくれます。  私が青年の頃、エレキベースを弾きながらロックバンドをやっていた頃には、このメトロノームのビートのことを「ジャスト」なビートと呼んでいて、今でも音楽を追求している人たちの間では、その呼び方は変わっていないと思います。  もちろん…
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「聖餐の豊かさを求めて」を読みました

 本書は聖餐を巡る議論の中でツイッター上でお奨めいただいた本であり、お奨めいただいた方へのお礼に代えて読後感を記します。 1 どうしても指摘しておきたいこと  この本の編著者である山口雅弘先生は冒頭11ページで以下のように書いておられます。 「さらに私は、次のことを無視できなくなりました。いわゆる「知的障がい」を持…
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末っ子ダビデ(1月27日CS説教原稿)

*今回は少し工夫しました。この原稿のタイトルと梗概を抜粋したパワポの画像を礼拝堂正面の壁面に投影してみました。折悪しく、朝日が差し込んで、非常に見づらくなってしまいましたが、試みとしては今度も続けてみたいと思いました。 【課題箇所 サムエル記上 16章】 5「平和なことです。主にいけにえをささげに来ました。身を清めて、いけに…
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「ニーバーの祈り」が教える21世紀

「変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する」というニーバーの祈りについては、昨年9月に一度、愚考するところをアップしましたが、もう一度考えてみようと思います。  これは祈りですから、必ずそれは聞き届けられると私も信じます。  しかし、現実には、聞き届けられて正しい区別が与えられるまで待てないとい…
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祈祷会で聖書を読む

 昨日の祈祷会は列王記上13章を読みました。  ざっくりかいつまむと、北王国の初代の王ヤロブアムが自ら築いた祭壇に香を献げた行為をとがめ、主がお怒りであると告げた「神の人」が、もう一人の預言者の軽はずみな言葉の故に死んでしまう、という正直、その意図を図りがたいようなお話しです。  そのお話しについては例えば・・・ …
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パウロ・フレイレをオススメする公開メール

Y兄  頌主。  昨日、パウロ・フレイレ、面白いから読んでみて!ということを一言、申し上げました。  ただ、その際にあらかじめお伝えしたいと思うこともあって、それをメールで差し上げようかとも思いましたが、普通の人はこんな長文のメールはウンザリでしょうから、お時間のあるときに見ていただけるようブログにアップして、メールで…
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ポラニーに聞く「分かっちゃいるけどやめられない」

 私たちは皆、原因があって、結果が生まれるという考え方、いわゆる因果律によって社会のなかで生きていくためのルールを学びます。  だから、その逆、つまり結果をナントカしたかったら、その原因に遡ればナントカなるはずと思い込むのは自然の成り行きです。  しかし、現実はなかなかそうならないし、むしろ、そんな単純なことで世の中が良くなるなら、…
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今年、読んだ本

クリスマスも終わったことだし、今年、読んだ本をとりまとめてみました。  なお、書名の後に*のついた本は横浜市立図書館から借りた本です。金沢図書館の皆さん、多謝、来年もよろしくお願いします。 1   I.イリイチ「ブドウ畑」 2 I.イリイチ「ABC」  12世紀の半ば、西欧における知の歴史に不連続が生じたという著作。知の歴史…
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