アナル派的福音書読解のすすめ(後編)

1 アナル派が発見した貧乏人  産業革命以前の社会、生産性の水準が人々の生活を維持のが精一杯の社会では、ほとんどの人は農業と農地に縛り付けられて露命を維持していました。  また、より少数ながら都市に住んで職人として生きていた人たちもいました。  しかし、そのいずれにあっても、農村なら村落共同体、都市ならば職人達の共同体(ギルド)に所属し、その共同体のなかで期待された役割を果…

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さよならパウロ・・・

「それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。」(コリント二5:16)  もし、パウロの言うとおり「肉」に従ってイエスや兄弟姉妹を「知ろう」としないなら、どうやって「知ろう」とするのか。  パウロは「霊」によってと答えるでしょうが、しかし、まぁ、落ち着いて良く考えてみましょうか。 …

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アナル派的福音書読解のすすめ(前編)

 先日、教会の人たちと昼食をいただいているうちに、つい、感染対策の遠慮も忘れてアナル派について熱弁を振るってしまいました。  アナル派は、その名称がフランス語で年報を意味する「Annales」に由来する歴史学者の学は、ネット上にはアナール派、アナール学派などの見出し語も見られます。  詳しくはネット情報を参照していただきたいのですが、現代の我々が忘れてしまった近代以前の暮らしや社…

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神という「物語」の恵み

「いかなる解釈も、それが解釈される対象に結びつけられると同時に、 解釈者を参照すべきものとして指示する。」 ジャン・スタロバンスキー(注1)  どんなテキストであっても、人は自分の目線で解釈します。  かならずしも、自分の都合に従…

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僭主ソロモン?

 A.シュラキは彼のエレミヤ記仏語訳*にそえた緒言の中で、エレミヤがアナトト出身の祭司であるとした上で、「おそらくアビアタル(列王記上2:26-27参照)の子孫である」と述べています。  アビアタルは、ダビデの治世の終わりに4男アドニヤを擁立しようとした責めをソロモンに問われてアナトトの町にに追放された人物。  そのアビアタルの子孫を預言者として主が用いたということはどういうこと…

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「子路」と「ペトロ」

 論語を読んだのは何十年も昔で、子路についての出典箇所を詳しくはご紹介は出来ませんが、単純明快、軽挙妄動と評すべき乱暴者であると同時に、不正は絶対に許せない正義漢で、弱いモノいじめに我慢できない、情に篤い青年であったとされていて、中島敦の小説も、そのような青年を幾分、ユーモラスに描写するところから筆を起こしています。  子路は、孔子から、例えば顔回のような高い評価を受けることはありませ…

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悔い改めにまさる伝道なし(8月23日信徒奨励原稿)

[聖書個所] ①イザヤ書 2:7-9 ②マタイによる福音書 19章 16-22節 1 神に背く民  今朝はまず、イザヤ書の2章7~9節を読んでいただきました。  イザヤ書は約2700年前、預言者イザヤに与えられた神の言葉ですが、その言葉は同時に、神に背を向けて、自ら崩壊してゆく社会を生きた同時代人の証言となっています。 今朝は、そのうち7節と9節に注目したいと思います。 …

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