「律法学者」という誤訳?!

 聖書にたびたび登場する「律法学者」という言葉が誤訳だなんて、疑ったことすらありませんでした。  だから、律法学者が一定の社会的なグループとして存在するからには、イエスやパウロの時代のエルサレムには、今日のイスラム世界におけるマドラサのような、教典を講じ、学ぶ学校があったにちがいない、そしてその教師が律法学者であり、星雲の志を抱く若き学生がパウロであったにちがいない、とずっと思っていました…

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教会学校の説教を考える

 教会学校の中高科で説教奉仕にお用いいただいて何年にもなります。  大体、半年に2回か3回の奉仕ですが、何回やっても納得のいくお話しができません。  その理由をいくつか考えてみます。 理由1 説教時間の制約  多くの教会学校の奉仕者の実感からいうと、幼稚児や小学生はもとより、中高生を相手にするときでさえ、お説教はせいぜい15分が限界、できれば10分くらいに収めた方がいいようで…

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希望とはなにか~7月14日CS中高科説教原稿

【使徒言行録 8章4~8節】 交読詩編 146 4さて、散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。 5フィリポはサマリアの町に下って、人々にキリストを宣べ伝えた。 6群衆は、フィリポの行うしるしを見聞きしていたので、こぞってその話に聞き入った。 7実際、汚れた霊に取りつかれた多くの人たちからは、その霊が大声で叫びながら出て行き、多くの中風患者や足の不自由な人もいやしてもらった。…

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ドゥルシラ・コーネル「”理想”を擁護する」をお読みください

 アマルティア・センの「正義のアイデア」の中で言及があったので、図書館から借りて読みました。  具体的な結論があるのではありません、しかし、ヒントがたくさんある、という意味ではぜひ多くの方にお読みいただきたいと思いました。  第1章と第2章は湾岸戦争、9・11、イラク戦争という時代に正戦論、つまり正義の戦争 Just Warを主張する人々への反論。  それまで、左派リベラルとし…

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大量消費社会と聖書

 新改訳のエゼキエル書8:3で「ねたみを引き起こすねたみの偶像」という言葉に出会ってハッとしました。 1 訳語の検討  この「ねたみ」の語を新共同訳は「激怒を起こさせる像」と訳しています。  察するところ、翻訳に携わった神学者の先生方は神学のことしか知らないままに、分かりやすい訳語を求めてこのように訳されたのだと思います。  しかし、です。  たとえば「welfare ec…

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ジェンダーは誰のために必要か

1 まずは本のご紹介  川口恵美子さんの「戦争未亡人  被害と加害のはざまで」(ドメス出版、2003)を読みました。  内容を簡単に紹介すると、昭和13年頃からサンフランシスコ講和条約までの期間の女性史で、タイトルにある通り、戦争によって夫を失った女性たちの辛酸を描いたものです。  しかし、この本の真に驚くべき点は、ほぼ100年前の歴史であるにもかかわらず、そこに描かれている女…

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「滅び」を英語で言うと・・・

 昨日の主日礼拝のお説教は「狭き門」、つまりマタイ7:13~14だったのです。  その中で「滅び」という言葉を英語ではなんて言うんだろうと思ってBibleGatewayで調べたら、New English Translation訳では「destruction」の訳語を当てているのです。  昔、よくテレビに出ていたデストロイヤーという覆面レスラーがパッと頭に浮かんできて、ビックリして15…

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「あなたの鞭、あなたの杖/それがわたしを力づける」とは

  「法律に抵触しないなら、いかなるビジネスでも認められるのか」という問いには、どのような答えがあり得るでしょうか。  肯定的な立場からは、例えば以下のような答えがあり得るでしょう。  肯定意見その1 法律や判例は、国民の自由を確定するためにあるのだから、これらに抵触しない限り、当然に、認められる。  肯定意見その2 もし抵触していても罰則規定がないならやがて野放しになる筈であり、…

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H.L.A.ハート「法の概念」を読みました

 公務員として長年、法律のおかげでメシを食ってきたのに、恥ずかしながら法律について正面から学ぶのは初めてで、この本が法哲学というジャンルなんだか、法理学というジャンルなんだかもよく分からない自分です。  ことほどさように浅学の徒ゆえ、幾度も心挫けそうになりながら*1、また、理解できない部分も多々ありながらも、大変、興味深い説明がたくさんあったこの本を図書館に返す前に、自分にとって大事な梗概…

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まだ見ぬ「ワクワク」

 L.ウィトゲンシュタインの本を読んでいると「ミスリーディング」という言葉が何度も出てきます。また、H.L.A.ハルの本を読み始めたら、やっぱり「ミスリーディング」という言葉が何度も出てくる。  訳者が違うのに、あえて文字通りに訳したのは、日本語に適切な訳語がない、ということを暗に伝えたかったのだろうと思いますが、それだけだろうか。むしろ、ウィトゲンシュタインやハルには見えていて、僕にはまだ見…

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Respect yourself 4月28日CS中高科説教原稿

 アメリカのゴスペルグループ、Staple Singersが1971年にヒットさせた曲に「Respect yourself」という曲があるんですが、最近、ピーター・バラカンさんの本を読んでいたら、この曲の歌詞についての面白い説明があったのです。  皆さんは、「Respect yourself」という言葉はどういう意味だと思いますか?  普通に訳すると君自身を尊敬しなさい、という意味だろう…

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「いかなる立場も切り捨てない」は何を意味するか

 日本基督教団神奈川教区では教区形成基本方針という文書に重要な位置づけを与えています。  この文書では「いかなる立場も切り捨てない」という主張がなされていますが、この主張の隠された意味を、社会的選択理論を用いて検討してみたいと思います。  さて、仮に私がある会議の参加者であって、すべての人を私の意志に従わせたいと考える独裁者だったとします。  そして、「いかなる立場も切り捨…

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ルーサー・ブリセット「Q」を読みました

 ルーサー・ブリセットの「Q」は、基本的にはエンターテインメント作品で、R18的描写も若干、散見されますが、時代考証は非常に正確で、極めて上質な作品です。  もし、あなたが18歳以上なら一読に値する作品です。また、塩野七生さんの本がお好きな人なら、きっと楽しめると思います。  ネタバレにならない程度に、あらすじを述べるなら、・・・  小説の幕開けは1518年のヴィッテンブルグ大…

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置き去りにされた教会

 日本基督教団は、70年代に深刻な内部対立が起きて、今日でもその残滓に苦しんでいます。  僕は、その当時のことを知る由もない者ですが、それでもそのことについてずっと考えて続けてきました。  そして、最近、やっと分かってきたような気がするのです。  もちろん、様々な原因があるのでしょう。  しかし、おそらく最大のものは、経済学や社会学の大きな発展が70年代に始まった(または、日本に紹介され…

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キリスト教と倫理

 世界は言葉の向こうにあって、人間は言葉によって技術や道具を開発して世界を利用する一方、実は世界に生かされてもいるのだ、と過去の多くの神話や宗教は考えました。  そして、世界を象徴するような様々な動物や石や鏡や木像を拝んできました。  しかし、近代になって、人々はそうした偶像崇拝に何の意味もないことを発見するとともに、デカルト的思考に導かれて、世界の本当の姿を探りはじめ、やがて、神は死ん…

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良き訪れをつげない教区総会

 今日、2月23日、神奈川教区総会がありました。  今日の教区総会で秦野西教会の解散が議案となりました。  教会員が減少する中、崖っぷちで先生と役員が力一杯、祈りながら踏ん張った経過が報告されました。  その後、教区議長から解散は決まったことだが、教区総会承認が手続き上必要だという説明があり、賛成多数で解散が承認されました。  議長団が、次の議案に移ろうとなさったので、私、逗子教…

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イデオロギーの向こうから

 先日の大根の話を簡単に要約すると以下のようになります。 1 人間は世界を利用するために自分たちに都合良く世界を分節化し、構造化する。 2 その働きによって言葉と社会が形成され、次いで偶像崇拝とそれを支える神話、すなわちイデオロギーが産まれる。 3 聖書と信仰の実践は、イデオロギーに囚われている私たちを、言葉の向こう側、つまり世界そのものである神の世界に招き入れ、イデオロギ…

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哀れな大根のお話し(又は、「分節化」を鍵に聖書を読む)

 野菜と果物の違いとか、蝶と蛾の違いとかが良くクイズとして取り上げられますし、また、虹の色や雨や雪の呼び名に地域や民族によって多様性があることも広く知られています。  これらのことは実は言葉による世界の分節化という、人間の知の働きを示しているものです。  つまり世界は人間の都合に合わせて作られた物ではないのに、人間が世界の中で生きていくために、そして、それを都合良く利用するた…

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豊かにされる「礼拝」

 メトロノームで四拍子を鳴らすと「カッ・カッ・カッ・チーン」というビートを延々と繰り返してくれます。  私が青年の頃、エレキベースを弾きながらロックバンドをやっていた頃には、このメトロノームのビートのことを「ジャスト」なビートと呼んでいて、今でも音楽を追求している人たちの間では、その呼び方は変わっていないと思います。  もちろん、楽器を演奏するためには、メトロノームに併せてジャストで演奏…

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「聖餐の豊かさを求めて」を読みました

 本書は聖餐を巡る議論の中でツイッター上でお奨めいただいた本であり、お奨めいただいた方へのお礼に代えて読後感を記します。 1 どうしても指摘しておきたいこと  この本の編著者である山口雅弘先生は冒頭11ページで以下のように書いておられます。 「さらに私は、次のことを無視できなくなりました。いわゆる「知的障がい」を持つ人々の共同体からの問いかけです。(略)その方々が共に礼拝に…

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末っ子ダビデ(1月27日CS説教原稿)

*今回は少し工夫しました。この原稿のタイトルと梗概を抜粋したパワポの画像を礼拝堂正面の壁面に投影してみました。折悪しく、朝日が差し込んで、非常に見づらくなってしまいましたが、試みとしては今度も続けてみたいと思いました。 【課題箇所 サムエル記上 16章】 5「平和なことです。主にいけにえをささげに来ました。身を清めて、いけにえの会食に一緒に来てください。」サムエルはエッサイとその息子…

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「ニーバーの祈り」が教える21世紀

「変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する」というニーバーの祈りについては、昨年9月に一度、愚考するところをアップしましたが、もう一度考えてみようと思います。  これは祈りですから、必ずそれは聞き届けられると私も信じます。  しかし、現実には、聞き届けられて正しい区別が与えられるまで待てないという人が圧倒的多数でしょう。  そうすると、世の中で行わ…

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祈祷会で聖書を読む

 昨日の祈祷会は列王記上13章を読みました。  ざっくりかいつまむと、北王国の初代の王ヤロブアムが自ら築いた祭壇に香を献げた行為をとがめ、主がお怒りであると告げた「神の人」が、もう一人の預言者の軽はずみな言葉の故に死んでしまう、という正直、その意図を図りがたいようなお話しです。  そのお話しについては例えば・・・ 読み方その1 偽預言を戒めたお話し。 読み方その2 神さま…

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パウロ・フレイレをオススメする公開メール

Y兄  頌主。  昨日、パウロ・フレイレ、面白いから読んでみて!ということを一言、申し上げました。  ただ、その際にあらかじめお伝えしたいと思うこともあって、それをメールで差し上げようかとも思いましたが、普通の人はこんな長文のメールはウンザリでしょうから、お時間のあるときに見ていただけるようブログにアップして、メールでURLのみご案内することとしました。  さて、僕が読ん…

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ポラニーに聞く「分かっちゃいるけどやめられない」

 私たちは皆、原因があって、結果が生まれるという考え方、いわゆる因果律によって社会のなかで生きていくためのルールを学びます。  だから、その逆、つまり結果をナントカしたかったら、その原因に遡ればナントカなるはずと思い込むのは自然の成り行きです。  しかし、現実はなかなかそうならないし、むしろ、そんな単純なことで世の中が良くなるなら、とうの昔に理想の社会が実現しているはずです。 昔の流行…

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今年、読んだ本

クリスマスも終わったことだし、今年、読んだ本をとりまとめてみました。  なお、書名の後に*のついた本は横浜市立図書館から借りた本です。金沢図書館の皆さん、多謝、来年もよろしくお願いします。 1   I.イリイチ「ブドウ畑」 2 I.イリイチ「ABC」  12世紀の半ば、西欧における知の歴史に不連続が生じたという著作。知の歴史を考えるための基本文献。2を読んでから1を読んだ方がいいです…

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「子孫を大地の砂粒のように」して欲しいですか?

1 それは祝福ですか?  創世記13:16には「あなたの子孫を大地の砂粒のようにする」という神さまの祝福の言葉が記録されています。  それ以外にも「産めよ、増えよ、地に満ちよ。」創世記9:1bという祝福もあります。  しかし、子孫が増えると言うことを私たちは祝福として受け止めるかというと、多くの人は、「えっ?何のこと?ウチ、せまいし・・・」という反応をするだろうと思います。  も…

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なぜ「西欧」を相対化しなければいけないか

 お恥ずかしい話ですが、若い頃、素人バンドでエレキベースを弾いていました(今もしつこく夕礼拝で弾いていますが・・・)。  その頃、中村とうよう氏や小泉文夫氏の書いたモノをよく読んでいて、その影響でいわゆる民族音楽を聴くようになったのです。  その中で気がついたことは、エレキベースやコントラバス、あるいはピアノのお臍よりやや左側の先の鍵盤のような低い音程を持っている音楽は西洋音楽だけだ…

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ベツレヘムへ帰る('18年11月18日 中高科説教)

【課題聖句】 ルツ記  1章 16節  ルツは言った。「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。わたしは、あなたの行かれる所に行き/お泊まりになる所に泊まります。あなたの民はわたしの民/あなたの神はわたしの神。 1 ホームドラマのはじまり  今朝はルツ記の第1章を読んでいきますが、この文書は、怪力無双の英雄や不思議な魔法使いが活…

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クリスチャンの倫理的責任について(中間的とりまとめ)

 自分の中でどうしても気になっていることがある。  ただ、現時点ではまだまだ生煮えであって、L.デュモンの「個人主義」に関する論考、M.ウェーバーの古典的著作などをもう少し勉強した上でなければ、結論には至らないと思っている。  しかし、モヤモヤしているモノをこの時点で少し書き出してみて、今後の勉強に集中できるようにしたい、というのが本稿の目的である。  さて、教会が社会にど…

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