キリスト教は「一神教」ではありません

 先日の夕方、放送大学の「国際理解のために」という番組を何気なく聴いていたら、高橋和雄さんという先生が「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はみな、一神教」ですと説明していました。

 こういう誤解は、世間に広く流布されているし、分かりやすさのためには多少、雑なお話も仕方ないよねぇ、とも思いつつ、放送大学の先生のご発言でもあり、一言、訂正をしておきたいと思います。

 ユダヤ教は一神教であるというご説明に異論はありません。

 つまり、ユダヤ教の神、つまり旧約聖書の神は峻厳に被造物に向き合って、律法を遵守する者を愛し保護し、そうでない者を裁く神です。*

 しかし、新約聖書と旧約聖書を一体の聖典として読む宗教、つまりキリスト教は、
  「父なる神」
  「子なるイエス・キリスト」
  「聖霊」
の3つ位階(ペルソナ)を持つ、一人の神、つまり三位一体の神を信仰する神です。

 ユダヤ教の神には裁きと愛しかありません。

 しかし、キリスト教には裁きと愛の間に「執り成し」の働きがあります。

 だから、キリスト教を一神教と言ってしまうと、大事な執り成しの働きを捨象してしまうことになってしまうのです。

 イスラム教を理解する上でも、上のような認識は必要だと思います。

 詳しくはぜひお近くの教会を訪ねていただき、牧師先生に教えを受けることをおすすめします。

*これは分かりやすさのための不正確な表現です。旧約聖書を丁寧に読むと、キリスト教を預言する、どこまでも愛である神や執り成しの働きをする人物が至る所に描かれています。ただし、それは旧約聖書全体の主張ではなく、イエス・キリストを預言する挿話でしかありません。




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放送大学教育振興会
高橋 和夫

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