I.イリイチ「シャドウ・ワーク」再読(覚書)

 本書の初訳は1982年に出版されており、僕が最初に本書を読んだのは恐らく1984年のように記憶している。
 そして、今回、ついに図書館から借りだして再読に及んだのだけれど、本書がもたらす衝撃は約40年を経た今日にもまったく色あせない。

 本書を始めイリイチの業績を積極的に日本に紹介した玉野井芳郎氏はすでに亡く、また、イリイチ本人も亡くなってしまった。

 僕は、彼らの警告を活かした生き方が出来ただろうか。

 この本を読んだとき、その問題提起の的確さには深く頭を垂れたものの、だからといって自給自足の生活に戻ることはできない、と短絡的に受け止めてしまっことを今、僕は深く恥じ入る。

 イリイチが提案しているのは、賃労働と女性差別に縛られた自分たちを解き放つことであり、その縄目を産み出している「稀少性」という偶像崇拝を見破ることだったのだ。
 
 今、キリスト者としての原点を彼と共有するに至って、やっとその視点を再発見しえたことは心からの喜びであり、彼が私達に与えようとした希望が、いまなお残されていることを確信することが出来る。

 なぜなら、僕たちには、今なお、分かち合い、ともに担い合うこと、聖書では一言で「愛」と呼んでいる目標がなお残されている、そのことこそ、イリイチのメッセージだからだ。

岩波現代文庫版表紙

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